地域と学校が課題を共有し、その課題解決に向けた協働による学びを通して、
未来を創る子どもを育てる教育活動を行っています。
想像を超える速さで変化している社会状況や学校を取り巻く環境に対して柔軟に対応しながら、
子どもたちを育むために新たな教育課題に対応した実践的指導力を高める取組をすすめています。
人の子の師である教師は、無限の可能性を包蔵する子どもの人格を形成するものである。しかも、教育の盛衰は国家民族の隆替にかかわるだけでなく、世界の平和と進展に日本国民が大なる役割をはたすことができるか否かに通ずるものである。このような教育の道に志し、それに努めたわれらは、この社会的責任の重大さに深く思いをいたし、使命感に燃えなければならない。
教師に課せられた厳しい責任と使命を自覚する者は、まず、みずからの人生観、世界観の確立を期してはげしくおのれを鍛えようとする。そのために、われらはつねに先人の業を尋ね、同行の友と睦み、次代に期待しつつ相互に教示し錬磨の道を歩む。
教育は国家百年の大計であり、個人を超えた永遠の生命である。したがって、教師たるものは時運にまどわず、歴史を省み、将来をおもんばかり、みずからの生命も生生躍動し、前進するものでなくてはならない。
われらは終生この本旨を堅持し、崇高な理想を追求しようとする者の総力を結集し、
もって教育の進展と社会の進運に寄与しようとするものである。
常緑の「松」は、ときわ会のシンボルツリー。
ときわ会150周年に向けた私たちの「未来図構想」です。
皆様にお考えいただきたい問いが、一つあります。
あなたは、なぜときわ会に入っているのか。
それほど安くもない会費を払い、会や組織のために時間と労力を費やすこともあります。それでも、ときわ会に入っている理由は何ですか。
教員になりたての会員と中堅やベテランの会員、教員人生のゴールが見えてきた会員、そしてOB会員等、それぞれの世代で違うところもあるでしょうし、共通しているところもあるでしょう。
例えば、ある一定数の会員は、会員同士のつながりを理由に挙げるのではないでしょうか。これについて、昨年度の代議員会において、現在のときわ会の現状として会員同士のつながりが弱くなっているのではないかという認識から、会員同士のつながりを強化していきたいという私の思いをお伝えしました。この考え方は、今年度も変わりません。
そのような中、令和6年度に、このことに関するいくつかの「つながりづくり」とでもいいましょうか、つながりを強化する取り組みを見聞きしたので紹介します。
ある中堅の年度では、自分たちの年度より10年ほど年上の年度、そして10ほど年下の年度、それぞれと交流会をもちました。しかも、それは年度全体でではなく、いくつかの地域ブロックで行っています。先輩年度や後輩年度が、どのような思いで自分たちの年代を見ているのか、そしてそれぞれどのような思いで仕事をしているのかを知りたいと考え、企画したそうです。その結果、つながりが増え、太くなったと感じたそうです。そして、自分たちにはない考え方を知ることができたそうです。かしこまることなく、本音を出し合い、楽しく話すことができたとも聞きました。今後も、継続していくということでした。
同じようにつながりを強くするための、今度は支部の取組です。ある支部では、「近隣校ときわ」と称して、近くの学校、例えば、同じ中学校区の学校のときわ会員で懇親会を行うという取り組みを行っています。支部単位という大きな懇親会ではなく、近くで勤務する会員のつながりを太くすることをねらっての取り組みだそうです。普段から顔を知っている間柄でも、あまり話したことがない人と膝を詰めて話すことができ、楽しい中に多くの学びがあったとのことでした。
これらは、私が知る中での取り組みから紹介したので、ほかの支部や年度においては、別のやり方で、有意義な「つながりづくり」が、あったに違いありません。それぞれの取り組みに感謝申し上げるとともに、さらに発展させていただきたいと思っています。
さて、今ほどの二つの取り組みに、私は、共通性を感じました。一つは、集まる人数がそれほど大きくないことです。また、これまでのときわ会で行ってきた懇親会とは違った形式や考え方によるものです。そして、それぞれの支部や年度が、主体的につながりの目的を定め、工夫しているところです。
令和7年度も、各組織の取り組みに期待します。
ときわ会に入っている理由に、当然ながら研修を挙げる人もいるのではないでしょうか。こちらも令和6年度に見られた動きから紹介します。
外国語の教科等研究部が、全県の外国語を研究教科にしている会員に案内を出して、研修会を開き、模擬授業や県外の先進的な取り組みに関する講演会などを行いました。また、支部内で、セレクト研修のように自主的な研修を行う仕組みを立ち上げた支部もありました。さらには、具体的な取り組みは令和7年度になりますが、令和6年度に理事会の中に研修の在り方を集中的に検討する特命委員会を設置し、新しい研修の方向性を示してもらいました。例えば、「選択の視点の導入」や「企画主体の多様化」などを提言してもらいました。新年度は、これらの提言を受けて特設委員会を設置することを、この後提案いたします。
令和7年度も、この会員の主体性を「つながりづくり」にも、研修活動にも可能な限りにおいて取り入れていただきたいと考えています。ただし、研修に関しては、教育研究発表会や特定の職種を対象とした研修など、これまでときわ会が大切にしてきた研修で価値あるものは、続けていく必要があります。
もう一つ運営の視野に入れているのが、他の研修団体との研修における交流です。令和6年度は、他の研修団体の研修会にときわ会員が参加したり、反対にときわ会の研修会に他の研修団体の会員が参加したりすることがありました。研修により、教員としての資質向上を目指すという、同じ目的の下では、相互乗り入れをさらに進め、交流を確かにしていきたいと考えています。本部主催の研修だけでなく、支部や年度の研修においても、可能な限りにおいて交流が進んでいくことが望ましいと考えています。
改めて、冒頭の問いを考えてみます。
私自身、なぜ、ときわ会に入っているのか、と問われて、それほど明瞭な答えを言うことができません。さんざん悩んでも、たくさんの要素が湧き出て、それらが絡み合って、その理由は、はるかに見えにくく、根源的で総合的なもののようです。
別の見方をすれば、ときわ会の魅力は一言では語れないということでしょうか。
いくつもある理由の一つに、私は、安心感があると考えています。たくさんの深刻な課題を抱えて進んでいる私たちは、時にこれでいいのかと迷ったり、自分一人だけがもがいているのではないかという思いにとらわれたりすることがあります。そんな時、ときわ会の仲間と話すことで、また話すことができない時は、あの先生ならどうするかなと思い描くだけでも、一人ではないという気持ちになり、前を向くことができます。同じ志をもった仲間がいるということは、私に力を与えてくれます。
これも、私がときわ会に入っている理由の一つです。
結びに、本日お集まりの皆様と力を合わせ、すべてのときわ会員が、その資質を高め、それにより、子どもたちの学びがより充実し、もって新潟県・新潟市の教育振興に寄与することを願って、あいさつといたします。