教育データベース

2018.11.09

中学校

中越

平成30年度

小中一体型校舎における教頭としての取組

小千谷市立南中学校 佐々木 一夫

 当校の一体型校舎の出発は新しく5年前である。1981年に統合された当中学校に32年後の平成25(2013)年4月、4小学校が統合し、乗り入れる形で小中一体型校舎となった。来年度中学校へ入学する生徒は、1年生から一体型校舎に入学した生え抜きの児童として、中学校へ入学する。小中一体型校舎で過ごしている当小中学校は新たな局面を迎えようとしている。
 「小中共に活動する」小中連携から、小中の違いを踏まえ、小中職員の一人一人を基盤とした活動を展開することを通して「児童生徒共に成長できる質の高い小中連携」への転換が児童生徒数の更なる減少を迎える今後の当校の小中の連携の方向であると考えている。
 小中連携活動の過程で、互いの文化を理解する場(ミーティング)を組織し、違いを踏まえ、児童生徒の育成のための協調した小中連携活動を展開することが、活動を充実・発展させより質の高いものにするための道筋となると考え実践を行った。
1 課題解決のための教頭としての方策
 ア 小中連携活動のスタートにおいて、小中教頭・担当者でミーティングを組織する。
 イ ミーティングでは、児童生徒の発達段階の違いや状況、職員の考え方、学校の状況等を明確にして、共有する。(活動の過程で適宜、ミーティングを取り入れる。)
 ウ 活動終了後には振り返りの記録を考察し共有する。
 エ 小中合同研修会で生まれたアイデアの具現化に向けて、組織を整える。
2 成果と課題
 例えば、小中合同避難訓練では、小中職員の考えを十分引き出し、互いに考えを受け入れ、「先ずは、避難する“型”を定着させることを優先」の考えを共有できた。反面、ミーティングに想定より時間を費やしたため連携活動のスムーズさにやや欠けた。
 小中文化の違いは、児童生徒の発達段階の違いから生じるものであると考えている。小中職員両者の考えや違いを十分に引き出すこと。共有することが不足していると判断される場合は、前述の例のように、多少時間を費やすことになったとしても、ある程度まで行う事が必要である。しかし、時間を費やせばいい訳でもない。ミーティングに費やす時間、人数、参加者の意識等のことを勘案しながら、組織を編成し、小中の職員各々の質の高い連携を図る必要がある。
 今後も、小中の橋渡(教頭)として、小中文化の違いを、職員が互いに認識し、協調して連携活動を一つ一つ丁寧に展開することで、ボトムアップを果たし、小中連携活動の充実・深化と質の向上を目指していきたい。