教育データベース

2018.11.09

中学校

佐渡

平成30年度

英語で表現する力を高めるための工夫

佐渡市立高千中学校 本間 哲郎

 言語習得において、「音が分からない言語」は習得が困難である。日本語でも、私たちは「読めない言葉」を普段使っていない。思い出せるもの、使えるものは全て「その音が分かっており、自分もその音を出せる」はずである。さらに言えば、言葉を覚えるときに、「読み方」を必ず覚えるはずである。英語の単語はアルファべットの組み合わせで決まった音を出すものがほとんどである。文字が表す音を理解すれば、「読む」「音を聞く」「話す」の助けになる。そして、文字と音の関係が分かれば、書くべきアルファベットをイメージしやすくなり「書く」の助けにもなると考えた。
 そこで、英語学習において「単語の発音と文字の関係」の理解を重視した学習を繰り返し行うことで、「単語の定着や発音に良い効果をもたらすだろう」また、「4技能にも好影響が出るだろう」という仮説を立て、以下の方法で指導を行った。
1 「発音と文字の関係に注目しながら単語練習をするプリント」の使用
 授業のはじめ、15分ほどを使って、単語の発音をイメージし、正しい発音を聞き、単語を覚えて書く練習をし、自分で発音する、という流れのプリントを用いた学習を行った。
2 ICT機器の積極的な活用
 授業をコンピューター室で行うことを基本とし、パソコンやICレコーダーを積極的に用いた。具体的には、生徒が使えるパソコン内に、教科書の音声(会話文等)を入れておき、生徒たちが自分のタイミングで聞くことができるようにしたり、録音ソフトを使用し、生徒が自分の声で発音したものを記録しておくようにしたりした。ICレコーダーには、教科書の音声等、参考にできる音声を録音し、授業外でも聞くことができるようにした。
 以上の取組を通して、既習の単語を英語らしい音で発音できるようになってきている生徒が増えてきた。それに伴い、発音できる単語を正確に書けるようになってきている生徒も増えてきた。4技能については、英文を読む力(読解力)において、顕著な伸びを見せる生徒がいた。だが、すべての生徒がこのように発音の学習が成果に結びついている生徒がいるわけでなく、より効果的な指導の在り方を検討していく必要がある。