教育データベース

2019.03.11

中学校

理科

中越

平成30年度

自然現象のしくみを、根拠をもとに説明できる生徒の育成

燕市立燕中学校 岡村 博史

 平成29年度告示の新学習指導要領では、「理科の目標」として、(3)自然の事物・現象に進んで関わり、科学的に探究しようする態度を養う」とあります。しかし、これまでの私の実践を振り返ると、実験や観察が好きな生徒は多いものの、考察の場面では、何を書いたら良いか分からず、言葉でうまく表現できないために、白紙で提出したり、班員の答えを写して提出したりと、科学的に探求しようとする姿勢とは遠い姿となってしまっていました。また自分の意見に自信がもてないため、考察場面における意見交流が消極的になってしまっている場面も見受けられました。
 そこで次の二点を具体的な手だてとして、その課題解決に迫りました。
(1) 生活体験に関連した教材を提示し、自然現象への働き掛けを喚起すること
(2) 考察場面において、「図」や「キーワード」を使い、図と言葉の両方で現象を説明させること
 例えば、雲ができる仕組みを考える実践では、映像だけでなく、実際にドライアイスで空気中の水蒸気を冷却し、それを雲と見立て、導入を図りました。その後、「雲はどのようにできるのか」を生徒に考えさせ、それを追究する構成としました。各班で違った種類の実験を行い、結果をタブレット端末で録画し、実験結果の共有、交流がしやすいように工夫しました。その後、「気圧」「温度」「膨張」の三つのキーワードを指定し、図と言葉を使用して雲ができる仕組みを記入し、書いたものを仲間に説明する活動を行いました。図とキーワードの両方で仕組みを記入させることで、理科が苦手な生徒も雲のでき方について、空気の中に入っている目に見えることができない水蒸気に注目して記入することができました。
 今後は、「生徒の表現力がどのように高まっていったのか」を明らかにしていきたいと考えています。また、現象に対して根拠をもってワークシート上で説明するだけではなく、相手への伝え方、相手の考えを聞いて思考を深めるといった「対話的で深い学び」にも視野を当て、実践を続けていきます。