教育データベース

2019.03.12

小学校

総合

新潟

平成30年度

地域への思いを高める総合的な学習の時間

新潟市立白山小学校 内山 雅俊

 新学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程の実現」を目指しています。この全面実施に向けて、本校においても地域教育プラグラム「ふるさと白山」がスタートしました。全国学力・学習状況調査の結果から、白山小学校の約7割を占めるマンション居住児童の地域行事への低い参加状況を受けて、全校の総合的な学習の時間を、地域への思いを高めるために、地域と関わる単元に改編しました。
 私は、4学年の担任として、「寄居かぶ」を「地域の対象」として選び、新単元を開発しました。「寄居かぶ」は、300年以上前から旧寄居村(現新潟市中央区寄居町)で作られていた、伝統野菜です。近年は、畑がマンションなどに土地改良されて、旧寄居村の近隣でも、育てられていません。地域に深く関わる歴史があり、かつ地域の都市化において品種の継続の厳しさという問題があります。この二つの点から、年間を通じて、子どもが「自分たちが守っていかなければならない」と感じる良い「地域の対象」であると考えました。しかし、単に「地域の対象」について調べ学習するだけでは、地域への思いを高めることはできません。
 地域への思いを高めるためには、「地域の対象」について知るだけではなく、対象との関わりを深め、それを媒介として、他の対象へと広げていくという探究活動の構成が必要だと考えました。そのために、私は次のような手だてを考えました。
①課題設定で、「地域の対象」について子どもの知りたいという思いを高める「自分に身近な人」と出会わせます。
②情報収集や整理分析をしたいという子どもの思いを基に、「地域の対象」について、「専門的な知識をもつ人」と出会わせます。
③「地域の対象」について地域に表現するために、子どもに「協力してくれる地域の人」と出会わせます。
上記の①~③の手立てで出会う人を「追究意欲を高める人」として設定し、地域への思いを高める探究活動の実践を行いました。