教育データベース

2019.03.12

小学校

算数・数学

新潟

平成30年度

算数科におけるプログラミング的思考の育成

新潟市立結小学校 後藤 大介

 新学習指導要領では、プログラミング教育が必修化されます。しかし、毎時間コンピュータ室へ行ったり、タブレットPCを用いた授業を行うことは難しいです。そこで、プログラミング的思考の育成には、教室で行うアンプラグド(コンピュータを用いないプログラミング教育)による授業の積み重ねが大切であると考えました。その中でも特に、算数においてシーケンス(順次)の考え方を身に付けることに焦点を当て、実践を行いました。
 実践場面は、3年生「三角形」の学習です。3年生では、二等辺三角形や正三角形の性質、作図の仕方を学習します。そこでプログラミング的思考を用いて、作図方法を説明する活動を単元に取り入れました。一つ一つの作業を言語化し、順序を考えながら相手に伝えることで、思考の深化が図られると考えました。
 まず、リンダ・リウカス著「ルビィのぼうけん」を用い、シーケンスの考え方を確かめました。登場人物のルビィに歯磨きの仕方を伝えたり、先の単元「円と球」の学習でコンパスを使った模様の描き方を皆で考えたりし、順序が大切であることを経験を通して学んでいきました。そして二等辺三角形の作図方法を学んだ後で「正三角形を作図するにはどう説明したらいいか」について考えました。プログラミング学習ソフト「スクラッチ」のコードブロックを模したブロックを操作し、どのような順序で作図をしていたのか振り返り、思考しながら活動を進めました。児童は、作図をするためには「どのような順序で」「どこにかくか」を示す必要があることに気付き、自分たちの作成したシーケンスを基に改めて作図を行うことで、学びの定着を図っていきました。
 自分たちの考えた手順ではうまくいかなかった場合、デバッグ(修正)の考え方が大切になってきます。今後も、デバッグを繰り返しながら、プログラミング的思考を育成し、算数の学びを深めるような実践方法を模索していきます。