教育データベース

2019.03.12

小学校

国語

新潟

平成30年度

文学的な文章を客観的に読み,自分の読みを作り上げる子どもの育成

新潟市立曽根小学校 樋口 大輔

 次期学習指導要領では、言語能力がより一層重要な学力であるという認識のもと、国語科を要として言語活動を充実する必要性を述べています。
 しかし、国語科は難しい教科であるという認識が根強いようです。特に、文学的な文章では、何をどのように教えたらよいのかという教師の困り感が、現在も多く聞かれます。
 文学的な文章の特性として、自分の読みを作り上げ言葉で表現する「主観的な読み」と、様々な観点から文章を読み取る「客観的な読み」の二つを大切にしなければならないということが挙げられます。どちらかが欠けても、文学的な文章の学びは成立しません。
 このような、文学的な文章と授業づくりにおける課題から、私は、目指す子ども像を「自分の読みを作り上げようと文学的な文章を客観的に読む中で、物語の展開や登場人物の相互関係について捉え直し、自分の読みを表現する子ども」と設定し、研究を進めることにしました。
 次の三つの手だてを用いた授業実践を行いました。
1 初発の感想と「客観的な読み」につながる読みの観点とを取り入れた学習計画の活用
2 中心人物の変容に迫る発問から、文章を俯瞰して読む授業場面の組織
3 比べ読みにおいて、作品の共通点・相違点を明らかにする対話的活動
 以上三つの手だてについて、授業実践の中で見られた子どもの姿を基に、文学的な文章の授業づくりについて提案します。