教育データベース

1970.01.01

中学校

下越

聞いた情報を伝える表現力を育む4技能の統合的な活動の工夫

葛塚中学校 加藤 有輝

“新学習指導要領では、4技能の資質・能力をバランス良く高めることが求められている。本研究では、4技能の資質・能力を統合的な活動を通して、どのように活動を工夫して高めるかということを課題として取り組んだ。そのために今回の研究では、各活動に意味をもたせて、それぞれの技能を有機的に結び付ける工夫を行った。相手の表現をインプットするためにListeningを行う。聞いた内容をSpeakingするためにメモをする。Listeningした表現を用いて、メモをもとにSpeakingした内容を文字にして情報を伝えるためにWritingを行う。これらの工夫を行うことで、ListeningからSpeaking・Writingへと活動をつなげ、統合的なコミュニケーションの力を育むことをねらっている。そのために講じた手立ては以下のとおりである。
 ①やりとりの際に使用する質問とその応答の帯活動
   相手にする質問をインプットし、繰り返し使用させるために帯活動を設定する。授業で新しく学んだ表現を使用する場面設定として行う。
 ②ListeningからSpeakingへとつなげるための活動
   自分が好きな人物になりきって、自己紹介をするとともに、友達の質問にも答える活動を行う。
   3人目がそのやり取りをメモしながら聞き、メモをもとに聞いた内容を英語で説明する活動を行う。
③メモをもとに対話の内容を説明した英文を書く。
   メモにとった内容を英文で表現する。
 上記の手立ての有効性を評価タスクにおける質問の数・メモをもとに内容を説明した英文の数・メモをもとに書いた英文の数の三つの観点で検証した。その結果、18人(64%)の生徒が質問の数を増加させ、28人(100%)の生徒がメモをもとに書いた英文(Writing)を増加させ、また24人(86%)の生徒がメモをもとに内容を説明した英文の数(Speaking)を増加させた。上記の手だては、ListeningからSpeaking・Writingへと活動をつなげる統合的なコミュニケーションの力を育む活動であったと言える。
“,令和元年度”