教育データベース

2013.09.26

小学校

国語

中越

平成25年度

小学校における古典指導のあり方に関する研究

三条市立一ノ木戸小学校 脇園 学

 現行の学習指導要領が全面実施されて3年目になる。現行の学習指導要領国語科の「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」では、中学年で「易しい文語調の短歌や俳句について、情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりすること」としている。つまり、小学校中学年段階において初めて、文語調の文体を学習することになる。中学校1年生で古典に対する抵抗感を抱かせないために、ここでの古典指導のあり方が重要になる。
 本研究においては、中学年の古典指導のあり方を提案する。古典に親しみをもつことが、小学校の古典学習の目標の中心である。中学年では、文語調の短歌や俳句に親しむことが大切になる。学習指導要領では、「情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をする」とあるが、情景を思い浮かべるとともに、作者の思いなどを想像し、歌や句のおもしろさや美しさまで考えさせたい。そこまで考えるからこそ、表現やリズムのよさを実感して音読できるのである。そして、それらを実感できれば、音読が楽しくなると考える。つまり、「古典に親しみをもつ」とは、ここでは、短歌・俳句の作者の思いや意図を感じて情景を想像し、表現やリズムを楽しみながら音読・暗唱できる姿だと考える。
 そのために、先人の解釈を提示し、その解釈と自分の考えを比較し、検討することで、作者の思いや意図をとらえる。解釈を検討する際には、本文の言葉に着目して考えさせる。子どもは、本文に表れている言葉一つ一つの意味や役割を考えることで、作者の思いに触れ、その表現のよさを実感し、情景を思い浮かべることができるようになる。さらに、表現やリズムのよさを感じ、短歌や俳句のよさ、おもしろさ、美しさに触れ、それらを実感しながら音読・暗唱することで古典に親しみをもつことができると考える。
 このように、古典特有の表現やリズムのよさを実感して、それらを楽しみながら音読・暗唱することによって、古典の世界に触れ、古典に親しみをもつ姿を創造する。