教育データベース

2013.09.26

国語

下越

平成25年度

字形を整えて書く力を高めるための実践

県立村上中等教育学校 坂井 昭彦

書写授業においては、これまで①手本の字形の特徴を解説する、②練習させる、③教師による添削をする、④清書させる、といった授業展開を行ってきた。このような授業では、生徒はただ手本を見て書くだけで終わりがちである。「手本と自身の作品を比較して、次はどこに気を付けて書けばいいのか」「手本の字形はどのようになっているのか」など生徒自身が自分の課題に気付きその解決を図る授業を目指さなければならない。
 そこで、次の仮説を立てて検証した。
 書写授業において、①文字の整え方の法則性や原理・原則を示し、②手本の字形を細かく観察する活動や模写、③相互評価(批評会)をさせることによって、字形を整えて書く力を高めることができるだろう。
 実践の結果は以下のとおりであった。
①「画と画の間隔が均等であること」、例えば、「青」「書」「若」「車」のように横画が二つ以上あるときは、その一つを長く書くことなどを示した。このことにより、字形を整えて書くことができるようになった。
②手本の文字の縦画や横画の長さや起筆の角度、文字の余白の面積などを定規や分度器などを用いて数値として調べる活動をさせた。この活動を通して生徒は、線の長さ、偏と旁のバランスなどに気付き字形を整えて書くことができるようになった。
③相互評価(批評会)を通して、生徒は他者の意見から自分の課題を明確にして、その課題の解決を図りながら、文字を整えて書けるようになった。
 以上のことから、上記の仮説は字形を整えて書く力を高めるために有効であると結論付けた。