教育データベース

2013.09.26

小学校

特別活動

中越

平成25年度

自他の考えのよさや違いに気づき、よりよい集団決定をしながら意欲的に活動していく子どもの育成

十日町市立水沢小学校 片桐 里香

 今、特別活動において、望ましい集団活動を通して、『自主的、実践的な態度や思考力、判断力、表現力などの育成』が求められている。これらの育成を図っていくために、学級活動においては、「自他の考えのよさに気付くこと」「よりよい集団決定を行って、意欲的に活動に取り組むこと」が大切であると考えた。
 本活動では、十日町市で3年に1度行われている「大地の芸術祭・世界かかしコンクール」に参加し、自分たちもコンクールに出品するところからスタートする。この芸術祭は、国内はおろか外国からの参加者や観光客も多い市を代表する一大イベントである。この活動により「たくさんの人たちに自分たちの作品を見てもらいたい」という強い願いが生まれ、自分たちの願いを実現するためにはどうしたらよいか、そのPR活動を検討する中で、自他の考えのよさに気付いていくことを期待する。
 子どもたちが願いを共有した段階で、全国からたくさんの観光客が訪れるにもかかわらず、地域の人たちの関心や参加率がとても低いという実態を伝える。子どもたちは、この実態を踏まえて自分たちの作品のPRだけではなく、大地の芸術祭についても広くPRするための方法を考え、話合い活動を活発に進めていくことを期待した。互いの考えのよさを繋いでいくことにより、自分たちの願いを具現するためのよりよい集団決定がなされることをも期待する。
 また、子どもたちの話合いの深まりや意欲の高まりを促すねらいから、学級で決定したPR方法を学年全体に伝える場を設定する。この活動によって、自分たちの話合いの内容を再確認することができ、「大変な作業かもしれないけれど、みんなで頑張ればできそうだ」という活動の見通しをもつことができる。そして、みんなで協力して活動しようとする意欲の高まりも期待できる。集団決定したことを実践していく過程において、子どもたちの自主性や実践的な態度が発揮されていく。
 さらに、活動のふりかえり(学級会カードやふりかえりカードを活用)を計画的に設定することにより、集団に対する所属感、集団としての高まりを感じることができる。「たくさんの人に自分たちの作品を見てもらいたい」という願いを、仲間と協力してやり遂げたという成就感は、次の活動に向けて、意欲を高めることにつながっていくのではないかと考え、本実践を試みた。