教育データベース

2013.09.26

特別支援学校

特別支援教育

上越

平成25年度

働く上で必要な力の育成

県立吉川高等特別支援学校  帆苅 健

1 実践テーマ設定の理由
 当校は、軽度の知的障がいのある生徒たちが多く学んでいる特別支援学校である。職業学級在籍の生徒が多く、卒業後の就労を目指している。
 生徒が現場実習先で働く中、一般企業先から次のような生徒像を求められている。
○素直で元気良く挨拶できる。
○やる気があって一生懸命働く。
○周囲の人とうまくかかわって、自主的に考えながら行動できる。
 これを受けて本実践では、作業学習や校内実習等での清掃活動を通して、「意欲的に仕事に取り組み、周りの状況を見極めながら行動できる生徒」を育てていきたい。
2 本校の作業学習や実習について
 本校の作業学習では清掃・接客・福祉・物流等の作業種があり、3学年の生徒はこれらのいずれか一つを選択履修している。水曜日を除く平日の午後、毎日作業学習がある。水曜日は企業内実習があり、生徒は終日企業で働いている。また、春と秋のそれぞれに校内実習と現場実習がある。校内作業では作業種ごとに分かれて2週間終日働き、現場実習では2週間一般企業や施設で働いている。
3 3学年の作業学習に求められる生徒像
 本校の研究推進計画を受けて、3学年部では次のような生徒の姿を期待し研究を進めている。
○仕事の手順や時間配分を考えながら、効率よく作業を進める。
○周囲の状況に注意を向け、協力し合ったりたり助け合ったりして作業をする。
○周りの人と好ましいコミュニケーションがとれる。
4 実践の構想
 本実践では実践テーマの姿に迫るため、指導内容や手立てに次の要件を考えている。作業の見通し、自ら考える場面と内容の設定、グループ構成の工夫、話合いの場面と内容の工夫、協力・助け合いが生まれる活動内容の工夫などである。
 その要件から、以下の4項目について活動や支援の工夫をしていく。 
(1) 打合せ会、作業場所での調整ミーティング、作業終了後の反省会など、話合いの場の設定や活動内容を工夫する。
(2) 打合せ会や調整ミーティング等で使用するホワイトボードの活用方法など、教材教具の工夫をする。    
(3) 作業場所に応じた仕事の段取りができるような場の保障と清掃活動の工夫をする。
(4) 自信や信頼関係が構築できるメンバー構成の工夫をする。
 1学期が終了した現在、こうした実践を通して、生徒たちには主体的にコミュニケーションする姿が増えてきた。また、作業に工夫が生まれるようになってきた。今後さらに取組を進めて、生徒たちを伸ばしていきたい。