教育データベース

2013.09.26

中学校

特別活動

部活動

新潟

平成25年度

お互いが高め合うチームづくりを基軸とした部活動指導

新潟市立鳥屋野中学校 堀 里也

1.はじめに

 「何でこんな簡単な事もできないんだ」「この前教えたはずだろ」そして、最後には「やる気あるのか」
 部活動指導の現場で、過去私が多用していた言葉である。思い返してもひどいものである。指導すればするほど、生徒達の表情は曇り、結果も思うようにでない。指導者の熱意とは裏腹に、このような負の連鎖に陥るチームづくりをした経験は、私だけではないはずである。
 私は、自分の専門種目であるバスケットボールを指導していたことが、逆に、生徒の実態に合わない、独善的な指導となっていた。私は、生徒に、一生懸命になることを強要し、生徒は、一生懸命に「はい」という返事を繰り返し、叱責されないようにしていただけだった。私は、指導の熱意を、自分の考え通りに生徒が行えばよいと勘違いしていた。様々な出会いから、自分自身の指導の間違いに気づき、修正していくことが、目の前にいる生徒達の将来ためにも重要なことであると考えた。< 2.実践の概要  今年度、私は、下記に示す指導原則の3点を意識し、部活動指導を改めた。そして、その実践が軌道に乗りはじめたと実感している。 (1) お互いが高め合うチーム作りには、指導者の熱意が必要である。  集団スポーツは、構成員一人一人に当事者意識を芽生えさせ、集団(チーム)の目標を、一つの大きなベクトルにしなければならない。集団が大きなベクトルとなって、お互いを高め合う集団(チーム)となるためには、構成員に、お互いを高め合う必要感を抱かせることが重要である。そのためには、やはり指導者の熱意が何よりも重要である。 (2) 目的にそって練習するためには、指導者の準備が必要である。  そのベクトルによって、練習の質が大きく変わるはずである。一つの練習ドリルの目的を集団で共有することが、日々、目的にそって練習することにつながる。練習ドリルの目的を集団に伝えるためには、指導者の準備が求められる。指導内容を厳選し、効果的に伝わるための指導言語も厳選する。そして、指導者の意図する練習となっているか確認をする。 (3) 生徒は、指導者の態度を映す「鏡」である。 毎日の準備の結果が、試合の結果を決定するといっても過言ではない。以前は、大会直前に、集団の雰囲気を盛り上げようとしていた。しかし、その雰囲気は、生徒達の本来の力ではない。メッキは、苦しい場面では必ずはがれる。雰囲気は、生徒達の困難に打ち克とうとする勇気によって醸し出されるものである。そして、その勇気は、指導者の日々の表情や言動によりつくられるものである。 3.おわりに  新潟県には、全国に名を轟かす強豪校とトップの指導者が多く存在する。つまり、指導者として学ぶ場は、他県よりも恵まれている。重要なのは、指導者の学び続ける姿勢である。部活動指導において、目先の勝利以上に大切なことが、この出会いに隠されている。  伝統ある新潟県バスケットボールの競技力向上に貢献することは、私の使命である。