教育データベース

2014.10.24

小学校

下越

平成26年度

「かかわる同和教育」を具現化するための取組

新発田市立住吉小学校 佐藤 健

 「かかわる同和教育」という言葉が、新潟県同和教育研究協議会(以下、県同教)から提起されてから、10年が経とうとしている。この間、県内各地の学校では、これまでの知識偏重の観念的な同和教育から、被差別部落の子どもをはじめとする、あらゆる課題を背負わされた子どもたちのための同和教育へと転換が図られている。
 当校の校区には、県内唯一の隣保館があり、部落解放同盟住吉支部という運動団体もある。よって、当校に対して地域や行政から、人権教育、同和教育を推進する学校としての期待も大きい。しかしここ数年、研究教科の変更や職員の異動も伴い、これまでの同和教育実践が薄れつつあるという危機感をもっている。
 このような現状を踏まえ、今年度3年ぶりに同和教育の授業を校内研究で取り上げることとした。被差別部落の子どもをはじめとする、本人の努力ではどうにもならないことで不利益を受ける可能性のある子どもを「被差別の立場にある子ども」と捉え、クラスの仲間が支え合う「仲間づくり」を進めていく。
 また、ここ数年取り組んできた「かかわりレポート」に同和教育の授業の要素を加えることで、年間を通じたかかわりについて新たな視点を加えていきたいと考える。さらには、同和教育だより「なかま」に、人権教育、同和教育の大切さや、当校の取組を随時紹介することを通して、地域に対する啓発活動にも力を入れていく。
 今後もこれまでの実践を見直しながら、県同教が提唱する「かかわる同和教育」を具現化するための取組について模索していきたい。