教育データベース

2014.10.24

中学校

生涯学習

中越

平成26年度

学校を核としたネットワークの構築による地域の教育力を生かした教育活動の展開

小千谷市立小千谷中学校 井口 秀夫

近年、生徒の規範意識やコミュニケーション能力の未熟さが指摘されている。生徒の社会性の育成には、「縦の関係」(上下関係:教師、先輩・後輩など)と「横の関係」(並列関係:友人や同学年の生徒)の他に、「斜めの関係」(地域住民など)に触れることが極めて有効である。「地域とともに歩む『希望』あふれる学校」を目指す当校では、「斜めの関係」を構築する取組として地域の人材を学校の教育活動に取り入れる、地域人材活用道徳「ようこそ先輩」やゲストティーチャーを招いての授業を行ってきた。
 「ようこそ先輩」では昨年度、21名の講師の方々に来校していただき、教室において学級単位でお話していただいた。教室という狭い空間は、生徒と講師の方の距離感も近く、お互いの表情や感情を肌で感じながら、授業を行うことができた。無報酬にもかかわらず、皆さんが喜んで講師を務めてくださり、貴重な経験や熱い想いを語っていただいた。講師決定では、校長のネットワークの広さと、市役所総務課、市福祉協議会などの関係機関からも多くの講師を派遣していただいた。NPO法人などとても協力的な団体が多く、非常に助かった。
 ゲストティーチャーによる授業では、保健体育の柔道の単元で市の柔道協会会長から来ていただき授業を行った。2年生男子3クラスを6時間ずつ担当していただいた。柔道6段という実績は「本物」に触れるまたとない機会になった。オリエンテーションでは、「柔の道」と題して礼儀やお互いを敬う心について講義をしていただいた。
 2年生の社会科では、地域の企業の調べ学習の単元で、実際に調べた企業の社長さんに来ていただき、直接質問等に答えていただいた。販売している製品も持参してもらい試食までさせていただきながら、生徒たちは興味深く学習することができた。
 他にも企業訪問や職業体験等で、たくさんの地域の企業や関係機関に協力していただいている。これからも、地域の方々に来校していただいたり、生徒が地域に出ていったりと、「斜めの関係」の強化を図っていきたい。