教育データベース

2014.10.24

小学校

食育

新潟

平成26年度

「食」に関心と感謝の心をもち,よりよい食生活を実践する子どもの育成

新潟市立中之口西小学校 早川 直美

  中之口地区は,平成25,26年度新潟市学校給食研究推進校の指定を受け,幼・小・中の連携による食育の推進に取り組むこととなった。そこで,児童の食生活に関する実態と意識を把握するため,児童と保護者にアンケート調査を行った。結果から次の3つを課題として捉えた。①食材や「食」にかかわる人への関心が低い。②自分でつくる力が付いていない。③食事のマナーやよい姿勢が定着していない。
   自分の健康な心と体をつくるためには,健全な食生活は欠くことができない。とりわけ,当校の児童には,食生活の改善に向けての主体的な態度を身に付けさせることが必要であると考えた。そこで,「弁当の日」の取組を通して,課題を解決し,よりよい食生活を実践する子どもの育成を目指した。
 まず,中之口地区小学校バージョンの「弁当の日」を設定した。この取組は,全校児童の参加と,弁当づくりの「ポイント」と学年部別「自分でできる内容の目安」を提示することが特色である。取組に併せて,中之口地区食育部事務局から「食育だよりSip」を地域に配付した。校内においても,たよりや懇談会を通して,「弁当の日」を含め食育の取組を家庭と共有できるように努めた。
 また,弁当の日に向けて,全学年で担任と栄養教諭のTT授業を行った。食材・おかずシートで児童に自分の食べたい弁当をシミュレーションさせたり,弁当計画シートで実際につくる弁当の計画を立てさせたりした。家庭には,親子での食材の購入や弁当づくりの見守りなどの協力を依頼した。児童は,「弁当づくりの目安」をもとに自分の力に合わせた弁当づくりに楽しんで取り組むことができた。ランチルームでの会食は,どの学年も,満足そうな笑顔にあふれていた。
 2回目の「弁当の日」の後,実施したアンケート調査結果では,食や食材,生産者への関心・感謝の心,そして,「自分でつくる力」について,改善の傾向が顕著に見られた。今後,「弁当の日」の取組はもとより,保護者の食育に対する理解や姿勢を深め,学校と家庭の連携による食育の取組をより推進していく。

<参考文献>
・食に関する指導の手引き-第1次改訂版- 文部科学省
・始めませんか「弁当の日」   鎌田 實,竹下和男 (自然食通信社)