教育データベース

2014.10.25

小学校

社会

新潟

平成26年度

子どもに問いをもたせ,意欲的な追求を促し,思考力・判断力を高める資料提示の工夫

新潟市立上所小学校 星野 翔

 私は,子どもの思考力・判断力を高めるには,以下の2点が大切だと考えている。①子どもが社会的事象と出会うことで追求したい問いをもち,そこから学習課題を設定する。②複数の資料を比較したり,関連させたりして考えさせる。
 しかし,これまでの私の授業では,資料選定や提示の仕方に関して社会的事象と子どもの知識にずれ(既有の知識,経験,感覚とのずれ)を生むことが十分考えられていなかった。また,児童の実態として,課題に対して資料を根拠に自分の考えを述べることができるが,複数の資料を比較したり,関連付けたりして考えることに弱さがあった。
 そこで,本研究では,「課題を設定する場面」で社会的事象と子どもの知識にずれを生む資料を提示し,「課題を解決する場面」で比較,関連付けができる資料提示を行った。そうすることで,子どもは追求したい問いをもち,課題を解決しようと比較,関連付け,などを活用して,思考力・判断力を高めることができると考えた。
 5学年と6学年の2つの実践で,資料提示の際の児童の反応やノート・ワークシートによって仮説の有効性を検証した。
 「課題を設定する場面」での資料提示では,資料の事実を示すと子どもたちは自分の知識や感覚とのずれから驚きを感じ,追求したい問いをもつことができた。そして,子どもの問いを集約することで「~なはずなのに,なぜ~なのだろうか」という学習課題を設定することができた。
 「課題を解決する場面」での資料提示では,意図的に複数の資料を提示することで,子どもたちは自分の考えの根拠を複数の資料に求めて考えていた。ワークシートやノートの記述には,資料と資料とを関連付けて考えを深めている姿が多く見られた。