教育データベース

2014.10.25

中学校

外国語活動・英語

新潟

平成26年度

モデルの分析とパラレルな課題を通して,書く力の高まりを実感できる授業

新潟市立白根北中学校 山口 麻子

 すべての生徒に「自分にもまとまりのある文章※1を書くことができた」と実感させたい。これまで,自分の作品を仕上げ,読み手に伝える場面を学習課題として設定してきたが,「まとまりのある文章を書くことができた」と実感できない生徒の姿が多く見られた。生徒にモデル文を提示しただけでは,提示したモデル文のどこをどのように活用してよいかが分からず,ねらいに合った文章を書くポイントが理解されていなかったのである。そこで,モデル文を提示した後に生徒にモデルの分析※2をさせ,書くべき文章の型を明らかにしたり,明らかにした型を活用できるようにするために,パラレルな課題※3を設けたりした。その結果,生徒は自分の考えをまとまりのある文章で書くことができるようになり,一人ひとりに書く力の高まりを実感させることができるようになった。
① モデルの分析
 モデル文を生徒自身に分析させる活動を通して,書くべき文章の型(構成・内容・言語)を明らかにする。明らかにした文章の型は,同時に評価の観点となり,生徒が評価の観点と基準を理解し,一貫した基準で学習を進めることができる。
② パラレルな課題の設定
 自分の作品を書く段階と総括的評価の前に,全員が同じ課題で練習する段階を設ける。実際に書くことで,文章の型をさらに理解し,自分の作品や総括的評価に向けてのスモールステップを踏むことができる。形成的評価を通して,その段階での成果と課題を生徒自身が把握し,学習に役立てることもできる。
※1「まとまりのある文章」とは,テーマに基づいて文と文の順序や相互の関連にも注意を払い,全体として内容に一貫性のある文章のこと。
※2「モデルの分析」とは,生徒に書いてほしいモデル文を提示し,構成・内容・言語を生徒自身に明らかにさせること。
※3「パラレルな課題」とは,自分の作品を書く前や総括的評価の前に,全員が同様の型で共通の文章を練習すること。

<参考文献>
・Hyland
, Ken. (2004). Genre and second language writing. Ann Arbor
, MI: The University of Michigan Press.
・Kuwabara
, Aki. (2013) A case of study of genre-based writing instruction to Japanese junior high school. A thesis in partial fulfillment of the requirements for the degree of Master of Education Graduate School of Education Niigata University.