教育データベース

2015.01.26

平成26年度

日常の中で行える学級集団での人間関係作り

小千谷市立小千谷小学校 丸山 由希

 どの児童にとっても居心地のいい学級を作りたい。児童が互いに受容し合い、助け合う様子が見られる学級にしたい。しかし、特別な取組を長期的に行うことは難しさがある。では、担任や児童の負担を大きくせず、日常の中で取り組めることを継続して行うことだけでも、児童の意識に変容は見られるのか。学級全体における活動と、個別での対応により、学級での人間関係を形成していくことを目的にした取組の効果を検証した。
1 構成的グループエンカウンター
 グループで協力して取り組む活動、間違えても気にしないことを目的とした活動、相手を信頼して取り組む活動など、信頼関係や互いに許容し合う環境を作るための活動を行う。児童も学級内のつながりを強化していくことをめあてに活動できるよう意識づけ、定期的に構成的グループエンカウンターに取り組んだ。
2 話し合いを通じた他者理解
 まず、国語の授業で、話し合いの単元を設けた。討論ではなく、一人一人が出すテーマをもとに、互いの意見を出し合う。話し合いのスキルを身に付けさせることと、自由に意見を出し合う環境を作ることを目的とした。次に、学級での活動や児童会に関する活動などを、児童中心の話し合いによって決定する。可能な限り、多数決ではない解決ができるようにしていく。
3 自らを振り返る機会を設ける
 自分の思い通りにならない時や、ちょっとしたことが気になる時など、感情をコントロールすることが難しい。仲間に対しての暴言や暴力をこらえることが難しく、トラブルが起きやすい。感情をコントロールしながら冷静に自分を振り返り、児童自らが次の行動を考えるために、2つのことを行った。
①トラブルを起こした子どもと共に、図や文字をもとに、行動や言動を振り返る。
②児童の行動や気持ちの褒めるポイントを探して伝える。
 この取組の結果、Q-Uの要支援群・不満足群の割合が減少した。また、児童からは、「みんながまとまって協力するようになった。」「授業態度が良くなった。授業中の発言が増えた。」「みんなの仲がよくなった。」という感想が出てきた。
 すぐに結果を出せることばかりではないが、日々児童と向き合い、教師と児童が共によりよい学級を目指していくことそのものに重要性があると考える。担任だけでなく、児童自身がめあてをもち、よりよい学級・人間関係を作るためにどんな活動を行うのか、さらに効果を検証しながら今後も取り組んでいく。