教育データベース

2015.10.21

小学校

情報教育

平成27年度

みんなが分かる学習活動を支える授業の情報化

新潟市立小針小学校 小庄司 一泰

学習指導要領解説では、PISAや全国学力・学習状況調査の検査結果から各教科において児童の「思考力・判断力・表現力」にはまだまだ課題があると述べている。そこで本研究では、理科の観察・実験・考察などを通した問題解決的学習において「思考力」「表現力」を養うことが必要であると考え、6年生理科の学習において、以下の手立てを用いて実践を進めてきた。
1 タブレット端末を用いた話合い活動の設定
 タブレット端末を実験前の予想での話合いと実験後の考察を考える話合いの2つの場面で活用した。グループでの話合い活動では、タブレット端末本体に予想を書き込む作業を通して話合いを行った。また、タブレット端末と大型液晶テレビを無線環境で結び、グループから出た考察結果を学級全体で練り上げる話合いを通して、児童の表現力や意欲の高まりの変化を能動的自己評価カード(ASE)を用いて検証した。
2 科学的キーワードを結び付けたコンセプトマップの作成
 思考力の高まりを見るために学習の前後に、何を学習したのか科学的キーワードを結び付けるコンセプトマップ作りを行った。また、デジタルとアナログの差異を見るために学習グループをタブレット端末・付箋・ノートでの学習班に分け、獲得した科学的キーワードと結びつけるリンクワードにどのような変化があるのかコンセプトマップを用いて検証した。  
 2つの手立てを取ることで、個人では発表意欲や実験に参加する態度に肯定的な変容が見られた。また、科学的キーワードやリンクワードといった知識・理解の方においても高まりが見られた。グループでは、タブレット端末を媒介として話合い活動や実験することを通して、協働的に学習できることが明らかになった。
 「アクティブ・ラーニング」「協働学習」で活用が見込まれているタブレット端末の利用法について今後も研究していく。