教育データベース

2015.10.21

中学校

理科

平成27年度

生徒自ら分析し解釈する力を高める理科指導の工夫

十日町市立十日町中学校 大矢 晃三

1 課題設定の理由
 中学校学習指導要領理科編では、教科の目標として「『科学的に探究する能力の基礎と態度を育てる』ためには、自然の事物・現象の中に問題を見いだし、目的意識をもって観察、実験などを主体的に行い、得られた結果を分析して解釈するなど、科学的に探究する学習を進めていくことが重要である。」と示されている。
 私のこれまでの指導では、実験や観察に対してとても意欲的に取り組むが、目的を理解せずただ実験を行っているという実態が少なからずある。そのため、得られた結果をもとに考察することができず、同じ班の生徒の考察を書き写したり、未記入だったりする生徒がしばしば見られた。また、定量実験では、得られた結果を表にまとめ、グラフ処理し、そのグラフから傾向を考察することは比較的容易であるが、定性実験において複数の結果が得られた場合、どことどこの結果を比較して考察したらよいのか悩む生徒が多く見られた。そこで、定性実験において生徒自身による表づくりの在り方と活用、そしてそれを活かせる教材を研究し、自ら分析し解釈する生徒の姿を目指した。
2 解決の手立て
(1) 生徒自ら考察を進めていくことのできる表の工夫と活用
 生徒が自ら実験結果を分析し解釈するため、どの条件下での比較なのか、そこから何が分かるのか、というポイントを明確にして実験を進めるようにした。このポイントを考えることで、実験の見通しをもつことができる。また、どのような表にまとめるのが良いのか吟味し、工夫することで、結果を比較して考察しやすくなる。その結果、分析し解釈するための見通しが明確化されると考える。
(2) 結果の妥当性を高めるための教材の工夫
 中学校理科の定性実験では、「反応した」もしくは「反応しなかった」という両極な結果が得られることが多い。事象をより科学的に探究させるためには、両極のみならず、複数の条件下で得られた結果を総合的に考察することで、解釈する際に多くの比較がうまれる。さらに、複数の条件による比較によって結論の妥当性が高まると考える。
 以上のような手だてにより、自ら分析し解釈する生徒の育成を目指して研究を進めた。