教育データベース

2016.10.12

小学校

算数・数学

新潟

平成28年度

小学校高学年「分数の乗除」や「割合」において、問題構造をつかんで演算決定する指導の工夫

新潟市立東中野山小学校 内山 大樹

 小学校高学年の算数「分数の乗除」「割合」単元の指導は難しい。私のこれまでの指導を振り返ると、問題構造をつかめず立式できない児童、演算決定で間違えてしまう児童がいた。全国学力・学習状況調査の結果からも、小学校高学年で問題構造をつかめていない児童、演算決定で間違えてしまう児童の割合が多いことが分かる。問題構造をつかめなかったり、演算決定で間違えたりしてしまう原因の根本には、次の2つにあると考えた。「文章題を端的に表した図(ここではテープ図、対応線分図を扱う)を読む経験量の少なさ」と、「図と問題文と式を関連させて考える経験量の少なさ」である。そこで、以下の2つの手だてを単元の中で繰り返し設定し、その解決に迫った。
1 選択肢から正しい図を選ばせる
 問題文と一緒に3つの図を提示し、問題に適した図はどれかを問う。「単位が違うので、この数があるのはおかしい」「もとになる量は1になるはずだからこの図は違う」など、児童は選択肢の図の中の間違いを指摘し、図の見方を獲得していく場面、問題文と図を関連させていく場面を設定する。
2 なぜその式が正しいのか、問題文や図と関連させて説明させる
 式の正しさを、問題文や図を根拠に説明させる。演算決定の根拠を問題文の中から探したり、問題文を言葉の式に言い換えたりさせることで、式と問題文を関連させていく場面を設定する。また、同様に「比べられる量」「もとになる量」「割合」が図のどこに当たるのか考えさせることで、式と図を関連させていく場面を設定する。具体的には、選んだ図を使って説明する活動を取り入れる。
 この2つの手だてを、「分数の乗除」「割合」単元の中で繰り返し設定し、文章題の問題構造をつかんで演算決定する姿を目指した。