教育データベース

2016.10.12

小学校

体育・保健

新潟

平成28年度

なわ跳びの技能を向上させる授業に関する研究

新潟市立巻北小学校 小林 優介

 短なわで二重跳びを行うには120回/分の速さで前回し跳びをする必要があると言われている。できる技を増やすためは前回し跳びの技能向上が必要である。
 これまでのなわ跳び指導では、児童一人一人の跳ぶ様子を見て、体の一部(手首、膝、足など)のよりよい使い方をアドバイスすることが多かった。個別指導中心で、学級全体に対する働き掛けが十分ではなかった。また、できる技を増やすことだけを意識するあまり、技の紹介や学習カードを活用した個人練習に注力し、跳び方の精度を高める指導をしてこなかった。
 三宅一郎は「BGMが運動技能獲得時に及ぼす影響~縄跳び運動において~」(2002)の中で保育所の5歳児を対象に、「運動速度に適していると思われるBGMを有効に活用しながら練習を実施することによって、より効果的な技能の獲得が可能になる」と述べている。
 そこで、小学校低学年でBGMを活用した学習を進めた。その際、適切なテンポの選択が指導上重要なポイントと言える。本実践では、4カ所に異なるテンポ(80回/分、100回/分、120回/分、140回/分)のBGMが流れる場を設定した。
 どのテンポのBGMにも合わせて跳べるようになった児童は単元前と単元後の前回し跳びを比べると、跳んだ回数が増えた。その要因として、手首の回旋範囲が狭くなったり、ジャンプの高さが低くなったりしたことが考えられる。異なるテンポのBGMを授業に取り入れることで個別に指導しなくても、効率的ななわ跳びのフォームが身に付き、前回し跳びの技能を向上させることができた。
 今回の実践では、前回し跳びの技能について効果を検証したが、BGMを使うことで短なわでの他の効果についても追究していきたい。さらに、他の運動でBGMを活用した場面を設け、その効果を検証していく。