教育データベース

2017.02.02

中学校

国語

中越

平成28年度

説明的文章をクリティカルに読む学習指導法の研究

長岡市立江陽中学校 伊藤 裕

 現在、私たちを取り巻く社会は高度に情報化され、常に情報が自分にとって価値のあるものなのかを主体的に判断しなければならない状況にある。これは、これからの社会を創造する生徒たちも例外ではない。私は、生徒が困難な課題や状況に直面したとき、そこから目を背けるのではなく、自ら考え行動できる主体者に成長してほしいと願っている。困難な課題や状況に直面したとき、それを解決する方法として「本当にそうなのか?」「もっと違う方法はないのか?」と物事をクリティカル(下記※参照)に捉え考えることが有効であると考える。
 国語科において生徒がテキストをクリティカルに読むということは、前述した捉えや考えを活用している姿と考える。しかし、クリティカルに読むといっても、その実際をイメージすることは難しい。本研究では、次の2点に重点を置き研究を推進した。
1 クリティカルな読みを実感しやすくするための工夫
 本研究では、データや事実の客観性、筆者の主張に向かう論理の整合性などから生徒が情報をクリティカルに読むことを実感させるのに適した説明的文章を教材として、それらを読む過程に三角ロジックの活用を位置付けた。また、生徒が実感を伴ってクリティカルな読みを実現していくために、中学校国語教科書に収録されている説明的文章教材を「三角ロジックを活用してクリティカルに読む」という観点で教材研究・分析し、生徒のクリティカルに読む力の伸長を図るにはどのような学習が適しているのかを検討した。
2 クリティカルな読みの系統性の検討
 中学校国語科でのクリティカルな読みをどのように系統立てて指導することができるかについて研究を深めるため、2年間の研究の蓄積をもとに、担当する1・2学年において教材の特性や学習内容の系統性を検討した。
※「クリティカル」とは「批判的」と訳される。しかし、「批判的」という言葉には一般的な理解として「他人の考えや意見の誤りや欠落を指摘する」という意味が含まれる。本研究では、そのような一般的な意味を超えた「課題を自らのものと捉え主体的・創造的に自身の考えを変容させていく生徒の姿」の具現化を目指しているため、「批判的」という語を用いずに「クリティカル」という語を用いた。