教育データベース

2019.03.11

小学校

理科

中越

平成30年度

三段論法をもとに論理的に説明できる子どもの育成

加茂市立加茂小学校 廣野 達也

 私は、児童の自然の事物や現象に対する「おや?」「なぜ?」を、「そうなんだ!」「おもしろい!」という気持ちを高めたい、「科学的な面白さ」を感じてもらいたいという気持ちで理科授業を実践してきました。しかし、知的好奇心や探求心を基に、科学的な見方や考え方を高めていたか、本当の意味での「面白さ」を味わわせることができていたか等、反省点もあります。
 そこで、児童の気付きや疑問を基に、根拠や理由を明確にしながら順序立てて記述できるようにしたり、論理的に説明する活動を組織したりすることで、科学的思考力・表現力を高めようとして授業改善を行ってきました。そのために、次の二点から解決に迫りました。
1 パフォーマンス課題の設定
 児童の科学的で論理的な深い理解を引き出すために、パフォーマンス課題を設定します。領域や単元ごとの「本質的な問い」と「永続的理解」を得られるように課題を設定します。「身の回りの事象や自然現象はどのような仕組みか?(概念理解を扱うもの)」といった「本質的な問い」と、「どのように探究できるか?(方法論を扱うもの)」といった「探求的思考過程・永続的理解」に対応した課題を設定することで、思考を活性化させ深い理解へとつながることをねらいとしました。
2 思考を補助するシンキングツール・ワークシートの活用
 アーギュメント指導〔「理由付け」:「既習事項や生活経験・体験」→「証拠」:「実験結果」→「主張」:「結論・考察」〕の観点で、段階を追った思考ツールを活用します。一実験及び単元を通して継続して活用することで、自他の考えの共通点や差異点を比較したり、予想と仮説の見通しをもったり、既習と結果・考察を明確にしたりすることをねらいとしました。
成果と課題
・段階を追って観点毎にまとめることで思考の流れを促し、整理して自分の考えを表現することができました。
・予想・仮説場面において、科学的に論を組み立てるための手だてが弱いと感じました。児童の思考を基にした考えのもたせ方と共有の仕方、設定の仕方を再検討する必要性があります。
理由、根拠、主張を明確にしながら、論理的・科学的に説明する力を高める指導の内容と方法の妥当性を更に検討し、児童に「科学的な面白さ」を味わわせることができるよう、これからも研究していきます。