教育データベース

2019.03.12

小学校

社会

新潟

平成30年度

具体的事実を基に思考したり、既習事項を活用したりして、知識を概念化して捉える子どもの育成

新潟市立新通小学校 小黒 健太

 私は、社会科の学習で、既習事項や具体的事実を基に思考することを通して、社会的事象の見方や考え方につながり、汎用的に用いることができる概念を獲得する子どもに育ってほしいと願っています。小学校学習指導要領解説社会編には、「主として用語・語句などを含めた具体的な事実に関する知識を習得することにとどまらず、それらを踏まえて社会的事象の特色や意味など社会の中で使うことのできる応用性や汎用性のある概念などに関する知識を獲得するよう、問題解決的な学習を展開することが大切である。」とあります。概念を獲得させることは、新学習指導要領での改訂の要点として取り上げられていることから、実践を行う上でも重視していかなければいけません。
 しかし、これまでの実践では、教科書や資料集から事実を書き抜くだけで、事実から思考している子どもの姿はほとんど見られませんでした。また、学習課題設定や予想を立てる場面では、既習事項を生かして思考する時間を設定してきました。しかし、私の講じた手だてが不十分だったため、追求場面では、資料の読み取りや予想したことの確認に学習活動が留まっていました。そのため、子どもが具体的事実を基に十分に思考しないうちに、授業者自身が一方的に学習のまとめ(概念化)を行っていました。これでは、大切な資質・能力の1つである思考力・判断力・表現力等を育成することは難しいと言えます。また、「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、子どもがこれまで既習事項を基に蓄えた社会的事象の見方や考え方を働かせながら、社会的事象について調べたり、考えたりして学んでいく必要があります。
 そこで、①学習のまとめを端的に答えさせる発問を行う、②考えた理由や考えの具体を引き出すための問い返しを行う、以上の2点を働き掛けます。こうすることで、子どもは社会的事象の見方や考え方を働かせながら、具体的事実を基に思考したり、既習事項を活用したりして、知識を概念化して捉えると考えました。