教育データベース

2014.10.25

中学校

算数・数学

新潟

平成26年度

「数と式の証明」において“も”「ならば文」と「追究マップ」を用いることを通して分かる授業を目指す指導の工夫

新潟市立白新中学校 伊藤 雅仁

 本研究は,3学年の文字式の証明において,「ならば文」を用いて仮定・結論を明確にして証明を行い,明らかになった事柄を順次「追究マップ」にまとめていくことを通して分かる授業を目指していくものである。2学年の図形分野においては「ならば文」と「追究マップ」を使っての実践は多いが,3学年の文字式の分野においてもこの手だてを使って分かる授業を目指した。
 生徒は,2学年・3学年で学習する『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』において,苦手意識をもっている。基本の計算部分はできていても,説明・証明になると説明の形になっていない誤答であったり,何を書いたらよいか分からないといった実態がみられる。しかし
,2学年で学習する『図形の証明』は『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』より実態調査において正答率が高かった。そこから私は
,『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』の正答率がなかなか上がらない原因として
,以下の2つの困難性があるのではないかと推測した。
ア 図形では,仮定・結論を明確にして証明しているのに対して,文字式の証明は仮定・結論を明確にしていないこと
イ 図形では,視覚的に考えられるのに対して,文字式の証明は視覚的に考える事ができないこと
 この2つの困難性を解消するために
,次の手だてを講ずることにした。
① 「ならば文」を用いて,仮定・結論を明らかにする。
 このことによって,仮定の一部を条件変更することで,生徒は既習事項と新たに分かったこととのつながりを意識しながら新たな問題を設定していき,活発な授業展開ができる。
② 明らかになった事柄を順次「追究マップ」にまとめていく。
 このことによって,学習した内容を時系列で記述し,視覚的に理解を深めていくことができる。
 この2つの手だてにより,『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』においても
,『図形の証明』と同様に生徒が分かる授業を目指したものが本研究である。