教育データベース

2014.10.25

中学校

算数・数学

中越

平成26年度

生徒の実態把握とそれに応じた指導の工夫

三条市立第三中学校 千田 博照

全国学力学習状況調査では、関数領域の正答率が特に低いことが取り上げられているが、自校でもその傾向がみられる。その改善を図るために、小学校でどのように学習しているのかを学習指導要領や教科書を見直した。また、三条市では小中一貫教育が平成25年度から本格実施されており、小・中学校での9年間の学びのつながりを考えたカリキュラムがある。
 小学6年「比例と反比例」でグラフが直線になることを、具体的な数量に即して理解できるよう指導することが必要である」とあり、中学1年「比例と反比例」では、「関数関係を表、式、グラフに表すとき、変数や定数を文字で表し、文字を使った式に一般化したり、座標に基づいたグラフをかき、変域は負の数まで拡張される」とある。
 これらをもとにした学びのつながりや、生徒の実態をふまえた指導を行えば関数の理解が深まると考え実践した。
 比例の導入では、小学校の教科書にある、水そうに入れた水の量と深さの関係を表やグラフで表す問題を扱った。ほとんどの生徒が表をつくることができて、グラフをかくことができた。しかし、柱状グラフでかく生徒が予想以上にいることが分かった。小学校では「比例と反比例」の後に、「資料の調べ方」で柱状グラフを学習するためであると考えられる。
 そこで柱状グラフをかいた生徒の考えを取り上げて授業を進めた。単元の終わりに同様な問題を扱ったが、その際は柱状グラフでかく生徒はいなく、ほとんどの生徒は直線でかくことができた。比例のグラフについて、点と点を結んでいくと直線になるという捉え方から、点の集合として比例のグラフが直線になることを捉えられるようになったと考えられる。その反面、直線で表された比例のグラフを具体的な場面で捉えられなくなる面がみられ、それに応じた指導を行う必要がある。