教育データベース

2014.10.25

小学校

理科

中越

平成26年度

児童が見通しをもって実験に取り組み,日常生活での活用を目指した指導の工夫

長岡市立上川西小学校 兒玉 かおる

 これまで,児童から出てきた追究課題に沿った授業を構成するように意識してきたが,一部の児童だけが課題を解決しようとする一方で,「なぜ,この実験をするのか。」,「実験は面白いけど,前の実験とのつながりがわからない。」といった児童が多くいた。
 また,「月や星」,「月と太陽」といった「地球」領域の学習では,児童の観察力に頼る部分が大きかったり,デジタル教材を有効に活用できなかったりして,学習内容の定着に大きな差を生じさせてしまい,日常生活で活用されるまでには至っていなかった。これは,「実際に月や太陽のモデルを作る」,「作ったモデルで月の満ち欠けを確かめる」といった実体験が不足しているからと考える。
 そこで,少人数で扱える流水実験モデル装置を使ったり,デジタル教材を適宜用いたりする等教材・教具の工夫をすることで,見通しをもって実験に取り組み,日常生活で活用できると考えた。児童が自らの経験や今までの学習に基づいた予想を意識して,主体的に追究活動を行うために,本単元では少人数で扱える流水実験モデル装置を用いる。少人数で扱う利点として,次の3点を挙げる。
(1)「侵食・運搬・堆積」の現象を間近で観察することができたり,児童が「もう一度,確かめてみたい」と思った時にそれぞれ検証実験を行うことができたりと,学級全体で一つの実験を取り上げる場合よりも,自ら事象と向き合うことができる。
(2)水量の違いによる侵食・運搬・堆積の働きの大きさの違いを実感させるために,太さが異なるビニル管を付けたペットボトルを用いた。児童でも水の勢いや水量の調節ができるので,条件制御しながら容易に検証実験ができる。
(3)モデル実験の結果を基に友達と意見交流したり,「侵食・運搬・堆積」の現象に気付かない児童でも,同じ班の友達との意見交流の中から,言葉だけでなく,これらの現象を視覚的にとらえたりすることができる。