教育データベース

2014.10.25

小学校

体育・保健

中越

平成26年度

「教育実践」 守備側の役割行動を身に付けさせるベースボール型の学習指導

長岡市立六日市小学校 蔵品 和臣

過去の私のベースボール型の実践では、守備側に「ボールが飛んだ児童は追いかけるが、他の児童はどう動いてよいか分からず動けない」「ボールを捕球しても、そのボールをどこに送球したらよいか分からず戸惑う」という様子が見られ、児童が思いきり運動し、ゲームの楽しさを味わうことができなかった。
 この課題を解決し、当校児童がベースボール型のゲームの楽しさを味わうことができるようにするため、昨年度は、プレイヤーの数を1チーム4人と修正し、アウトが成立する条件を簡易化し、実践を行った。その結果、アウトを成立させたい塁を4人で判断し、その塁に向けて全力で走る様子が見られ、運動を楽しむ様子が見られた。しかし、その一方、捕球したボールを「どこに送球したらよいか分からず戸惑う」様子が改善されたとは言えなかった。また、ベースボール型の特徴である【走者が速いか、守備側の共同作業が速いかを、特定の塁上で競い合うこと】を、送球を用いたゲームで味わうことができたとは言えなかった。
 そこで、今年度は、ベースボール型の学習内容の一つである「チームとして守備の隊形をとってアウトにする動き」を、「守備における役割行動の分化」と捉えた。そして、児童が、打球に応じて適切な役割行動を判断して動き出せるようになると、ゲームをより楽しむことができるようになると考えた。そこで、ベースボール型のゲームで必要な技能を、個人で発揮可能な技能(個人技能)と、集団で発揮可能な技能(役割行動)とに分け、明確化した。さらに、個人技能と共に、①ベースカバー役の人数を段階的に減らすこと、②役割行動について考えるミニゲームを導入すること、③送球の捕球技能を容易にするための教具を工夫すること、という3つの手立てを用いて、役割行動を学習できるようにした。その結果、児童はベースボール型のゲームをより楽しむことができるようになった。