教育データベース

2014.10.25

小学校

体育・保健

佐渡

平成26年度

体育科におけるワークショップ型授業の導入

佐渡市立行谷小学校 阿部 義弘

 文部科学省では「体つくり運動」について,「体力の必要性の学習の大切さ」と「仲間との豊かな交流の大切さ」を示している。これまでの私の「体つくり運動」の授業を振り返ると,教師が様々な運動を紹介し,それを子どもにさせるドリル的な活動が多く,子どもが思考する場面や相互に関わる場面が見られなかった。そこで,子どもの関わる力や思考力を高めるのに有効であるとされているワークショップ型授業が,体育科にも有効ではないかと考えた。
 ワークショップとは,「講義などの一方的な知識伝達のスタイルではなく,参加者が自ら参加・体験して共同で何かを学び合ったり作り出したりする学びと創造のスタイル」→「参加体験型グループ学習」である。子どもは教師から与えられた枠の中で,自ら考え創造していくスタイルの授業となる。
 しかし,体育科は他の教科と違い,「運動量の確保」「安全管理」「広大な場」などの要素がある。導入の際には,これまでのワークショップ型授業に改善を加え,思考力や関わり合う力を高めていくことを試みた。
 実践では,「意欲面の上昇」「アドバイスを行うことで,他者の意見を取り入れたより良い動きの追求」「自分たちの動きの前回との違いの認識」「動きの回数や時間への意識の向上」などの成果が得られた。
 課題としては,ねらっている高めたい部分を意識した運動になっていないグループがあったことが挙げられる。そうならないためにも,教師が説明段階で,しっかりとした活動の枠を与える方法をさらに追求していくことが必要である。

<参考文献>
ワークショップ -新しい学びと創造の場 中野民夫 岩波書店 2001
動きの「感じ」と「気づき」を大切にした体つくり運動の授業づくり 細江 文利,鈴木 直樹,成家 篤史 教育出版 2011