教育データベース

2016.10.11

小学校

特別活動

新潟

平成28年度

1年生における協同的学級集団の育成

新潟市立大通小学校 吉澤 優

 学習指導要領では、「望ましい人間関係を形成し、集団の一員として学級や学校におけるよりよい生活づくりに参画し、諸問題を解決しようとする自主的、実践的な態度や健全な生活態度を育てる」ことを、学級活動の目標に掲げている。学級で育てたい「望ましい人間関係」とは、楽しく豊かな学級生活づくりのために、互いのよさを認め合える人間関係である。そのような人間関係が、学習や生活において課題解決に向けて協同して取り組むことができる学級集団の基盤となる。
 互いのよさを認め合えるような関係をつくるため、昨年度、高学年でクラス会議を実施した。思春期で人間関係に悩んだり、目標がもてず自分の力を発揮し切れなかったりと、課題が多かったが、以下のような成果があった。
・友達を信頼し、悩みを話したり解決方法を考え合ったりすることができた。
・学級のために、一人一人が役割をもって当番活動や係活動(会社活動)に励んだ。
・不登校の児童が、教室に入りたいと願いをもって登校し、クラス会議や児童会祭りに参加することができた。
・協同学習に進んで取り組み、友達と学ぶことを楽しむ児童が増えた。
 クラス会議を通して、自分ができることに取り組み、個々が役割をもって学級のために活動することができる「協同的学級集団」へ成長することができた。
 さて、人間関係形成が不得意な低学年では、クラス会議を通して、互いのよさを認め合える人間関係を構築し、協同的学級集団へ成長することはできるのだろうか。その手だては、どのようにすればよいのだろうか。
 クラス会議は、児童に社会で生きる力を育てるための方法の1つであると考える。そして、「ポジティブディシプリン」に基づく働き掛けであることを、教師が理解して取り組む必要がある。学校生活の課題に、教師が児童と同じ目線に立って向き合い、児童が主体的に課題を解決していくことを支援して自信と力を伸ばしていく指導法である。児童は、できることを認められたり、可能性があると励まされたりすることを通して安心感を感じ、やる気をもって問題を解決しようとしたり、友達の役に立つことに挑戦したりできると考える。
 本実践では、話合いの経験が未熟な1年生に、教師の肯定的な働き掛け(「ハッピーアプローチ」)を通してどんな学級にしたいか、どんなことをすれば友達のために活動できるか具体的に考えさせながら、友達と望ましい関係を築きながら成長する姿を目指す。